――いつごろからアルバム『UC100V』の制作ミーティングに入ったんですか?
- ABEDON
- 最近のUNICORNはアルバムを1年おきに出すゆっくりしたペースになってまして。だからここに向けて、去年から動いてた。今年、アルバムを出すには去年の11,12月にレコーディングしないといけないから、曲を書く時間も考えて、逆算してスタートが決まって。
――そこで、“100周年”というテーマをまず決めたんですね。
- ABEDON
- 決めたっていうか、たまたまテッシーくんが言ってたのを聞いて、「あ、これ、いいかも」と思って。
――手島さんの言葉?
- ABEDON
- そう。去年のファンクラブ・ツアーのときに、テッシーくんが「UNICORN は来年100周年ですよ」っていう言葉を口にしてたんですよね。それが面白いなと思って。だいたい100周年をうたうバンドっていないでしょ。
――聞いたことないです。普通、100周年はありえない(笑)。
- ABEDON
- それがどうしてもひっかかってて。
――「使えるぞ!」と(笑)。
- ABEDON
- メンバーみんな面白いこと言うんで、僕はそれをただ拾ってるだけなんで。
――UNICORNの楽しさの原点は、そこにある!手島さんはそれを意識的に言ってたんですか?
- 手島
- なんかもう2、3年前から、それは言ってた。「2019年に、再結成やら還暦を足してったら100年になるよね」って、スタッフと話をしてて。じゃあ、逆算してっていう話は、16年か17年には出てたんですよ。
- ABEDON
- 100周年をキーワードに動くってことですね。バンドのロゴを、めでたいマークに変えてみたりとか。
――なるほど。そしてもう一つのテーマの“働き方改楽”は?
- 奥田
- それはまた別っちゃ別のスローガンなんで。
- ABEDON
- 2019年のお正月に、新聞に広告を大きく載せていただけるということだったので、10年前の『シャンブル』のときの「今年は働こう」みたいなイメージで、何か違うのはないかなってことで、“働き方改楽”案が出てきた。
――ただの「働こう!」じゃなくて、「働くのは、なんて楽しいんだろう」になっていったんですね。
- ABEDON
- そうだね。
――『UC100V』の曲タイトルは、すべて数字がらみになってますが。
- 手島
- ファンクラブ・ツアーをやってるときにはもう、11月と12月はレコーディングって決まってて、民生がポロっと「曲を書くのに何もないとやりにくいから、数字をキーにして作らない?」っていう話をして。
- ABEDON
- そういうのって、珍しいよね(笑)。
――(笑)珍しいっていうか、他のバンドじゃやらないですよ。
- ABEDON
- だから、これはやったほうがいいなって(笑)。
――そういう取り決めがあって、それぞれ曲書きに入った。
- 手島
- 取り決めというよりは、ただのイメージだから、数字があとから付いてることもあったんです。ふわふわっとしたイメージなので、最終的にタイトルを付けるときに、無理くり数字をグッと入れたのもあったし(笑)。
- ABEDON
- 確かに苦しいのもあったな(笑)。
――「うなぎ4のやきとり1」なんてタイトルの曲は、普通に作ったら絶対生まれないでしょ。
- ABEDON
- 数字がテーマでなければ、こうならない。
- 手島
- ♪うなぎ〜♪
- 奥田
- ♪うなぎふぉ〜(4)♪(笑)。
- ABEDON
- (笑)
①「10Nuts」
――ではアルバムの曲のことを。まずは「10Nuts」(作:ABEDON)から。
- 手島
- これはですね、俺と民生がレコーディング休憩中に、ABEDONがアイデアを持ち込んで、EBIと川西さんでセッションをして、ほぼ全部を録り終えてたんですよ。
- EBI
- レコーディングのいちばん最後に、3人でセッションして。
――アルバムのオープニング曲を作ろうってことですか?
- ABEDON
- はい。そういうのがあるといいなと思ったんですよね。
――アルバムの入口にリズムがメインの曲があるのは、昔の洋楽っぽいですね。
- ABEDON
- そう。それと、氣志團万博で(山下)達郎さんのライブを見たんですけど、オープニングは達郎さんが自分で作ったSEだったんですよ。コーラスがバッチリ入っていて、雰囲気がすごくよかった。だったらUNICORNもライブの前に、コーラスがちょっと入ってるSEがあったらいいなぁと思って。それが頭の片隅にあって作った曲ですね。
- 手島
- EBIがベースを弾いて、川西さんがドラムを叩いて、ABEDONがギターを弾きつつ。ある程度、録れたところで、俺か民生かどっちかギターを弾こうっていって、「じゃあ、俺、先やるわー」ってやったら、オケがいっぱいいっぱいになってしまったので、民生はパーカッションのほうに回るという形に。
――奥田さんは、“パーカッション名人”としての気負いはあったんですか?
- 奥田
- まあ、やることがないから入れたわりには、曲の雰囲気に合ってるでしょ(笑)。
- ABEDON
- 今回、民生くんは他の曲でもパーカッションを入れまくってますよ。大活躍してる。こんなことを言うのも変だけど、歌を歌う人のパーカッションは、ドラマーのパーカッションとはちょっと違うよね。UNICORNはその両方を持ってるので、いいなと思う。民生くんと川西くんのパーカッションと。
- 奥田
- 川西さんも歌いますけどね。
――それは、ドラマーが歌う歌はいいかどうかっていう話ですかね?(笑)。
- 奥田
- そっち側になる(笑)。
- 川西
- 逆のね(笑)。
- ABEDON
- そうだね(笑)。
②「ZERO」
――2曲目は「ZERO」(作:ABEDON)。数字でゼロが出てくるのは、なかなかのハイセンス。ゼロを発明したのはインド人だから、哲学っぽいです。
- 手島
- インテリジェンス!
- ABEDON
- でしょ?(笑)。曲出しのとき、みんなの出した曲を聴いたあとに、少しアッパーな曲にチャレンジしようかなと思って。中心から広がるイメージだったので、タイトルを「ZERO」にして。個人的には、生のバンドと機械のビートが行ったり来たりするのがいいなと思ってます。
- 手島
- 1曲の中で、機械のチコパカチコパカっていうのと、生ドラムが混ざってる。
――この曲のハーモニーは、めちゃくちゃ高くないですか?
- ABEDON
- 民生くんもEBIくんも、高いとこを歌ってます。
- EBI
- コーラス入れは、咳き込みながらやってた。
- ABEDON
- EBIくんが珍しく「高いわ~!」って言ってたんで、なんか気の毒なことをしたな、と(笑)。
- EBI
- 高いわ〜。
――(笑)でも、ライブでやんなきゃダメですよね。
- ABEDON
- ライブでもやってほしいね。
- EBI
- やりますよ~!
――この曲の奥田さんのタンバリンもナイスです。
- ABEDON
- ナイスだね。
- 奥田
- ……あざーす!(笑)。
――そして、今回はギターのピック・スクラッチがやたらと多い。
- 手島
- 「OH! MY RAD10」の流れですね。
- ABEDON
- これでやってたっけ?
- 手島
- 最後のほうでやってたかも。
- EBI
- ギターで、キュ〜ンってね。
- 川西
- キュ〜ンね。
- ABEDON
- UNICORNのレーベルはキューンミュージックだからね。
- EBI
- 僕もいつかキュ〜ンってやりたいな。
――ベースで?(笑)。
- EBI
- ベースじゃなくてもいい(笑)。
③「大航海2020」
――「大航海2020」(作:EBI)。EBIさんにしては、珍しくまともな曲ですね(笑)。
- EBI
- なんか久々に、普通の曲ができた(笑)。
――頑張って普通の曲を作ろうと?(笑)。
- EBI
- いや、まったくないですよ。いつもと同じにやったら「できちゃった」っていう。
- 川西
- EBIくんはわりと早い時期に曲を作ってたやん。電大ツアーの前に作ってたもんね。
- 手島
- フフフッ
- EBI
- そこで笑ったらいけないでしょ(笑)。曲を持ち寄ろうって決まった日から、書き出したんですよ。
- 川西
- 電大ツアーの途中に、「もう書いてんの?」って言ったら、そのとき3曲出来てたじゃん。僕、そのとき1曲もできてなかったから、「マジ〜?!」って焦った。
- EBI
- 今回の曲書きはホント楽で、歌詞もできてた。
――調子がよかったの?
- EBI
- ものすごい調子がよかった。
――自分で言ってる(笑)。
- EBI
- こんなの僕、生まれて初めてだもん。
- 川西
- 生まれて初めて(笑)。
- EBI
- もう「こんな、余裕でいいの?」っていうぐらいで。
――この曲のベースは、ABEDONさんが弾いてます。
- ABEDON
- EBIくんが僕を指名してくれた。僕はEBIくんのベースとは違うアプローチをするんで、EBIくんが「僕にはできないベースを、どうしても弾いて欲しい」と。
――(笑)
- EBI
- そうですよ。僕が弾かないから誰かがやるんじゃなくて、これはABEDONに弾いてもらいたいなっていう。
- ABEDON
- 僕のベースが川西くんのドラムと合わさると、いつもと違うグルーヴになる。
- EBI
- 絶対なりますよ、人が違えば。
- ABEDON
- で、センターでEBIくんがハンドマイクで歌えたら、ライブは面白いでしょう。
――歌詞はどうなんですか?
- EBI
- 歌詞もすぐ書けた。
- 川西
- メロディーと同時に出てくるんだよね。
- EBI
- ちょっと遅れて出てくる。
- 川西
- そりゃ、ちょっと遅れるけどね(笑)。
――これも奥田さんのタンバリンがナイスプレイだよね。
- 奥田
- タンバリン? あざーす!!
- EBI
- (笑)さっきから、そのセリフがすごく元気いい。
④「1172」
――「1172」(作:奥田民生)は? 最初、ぱっと見て「1173」(イイナミ)かと思ったんですが(笑)。
- EBI
- イイナニ?(笑)
- 奥田
- これ、最初は「1173-1」っていうタイトルだった。だから、タイトルは後付けです。
――やっぱり(笑)。これはとにかく明るい曲ですね。
- 奥田
- そうですね。音のムードだけしか、考えてなかった(笑)。
――ABEDONさんのオルガンが大活躍してる。
- ABEDON
- はい。あの音を出すのは意外と難しいんですよ。西洋の音楽やってる人が作る音じゃないよね。そこにオルガンがあって、どういう楽器かわからない状態で弾かれたような(笑)。
――ガラの悪いジャマイカ人が弾きそうな(笑)。
- ABEDON
- ね(笑)。僕の中ではすごく面白かった。
――作曲者としては、思い通りのキーボードだったんですか?
- 奥田
- そうね。ラテンのペレス・プラードみたいな。
- ABEDON
- そういうイメージを、民生くんが最初から言ってたんで。
――ギター・ソロは?
- 手島
- まず俺がガット・ギターを弾いて。
- 奥田
- 俺がエレキ・ソロ。
――で、オルガン・ソロが来る。
- ABEDON
- 民生くんが♪タラッタッタラ~、タラッタッタラ~、タラッタッタラ~タ♪をアレンジしてるので、僕は♪タララタララ、タララタララ♪(笑)。
- 奥田
- サザエさん対ドラえもん。
- 手島
- 夢のコラボレーションですよ(笑)。
――奥田さんのパーカッションは、この曲では“ギロ”を使ってる。
- 奥田
- ギロは苦手だったんですけど、何年か前に「あ、こうやってやればいいんだ」って極意がわかったんよ。要は右手だけでやってたのを、両手でやるってわかってから好きになった。“第三パラダイス”ツアーのときは、ギロを目の前に置いてた。
- ABEDON
- ライブでやってたら、うまくなるからね。
- 奥田
- あざーす!!(笑)
⑤「365歩のマッチョ」
――「365歩のマッチョ」(作:手島いさむ)は?
- 手島
- とりあえず“365”っていう数字を使うかどうかジャッジに迷ったけど、“12”と“52”は使いたかったです。1年間は12カ月で52週間。トランプも13が4つで52枚じゃないですか。なんか気にはなってたんで。曲を最初に作った段階では何も考えてなかったけど、追っかけコーラスで数字を入れていこうと。
――最後は“366”になってますけど。
- 手島
- うるう年のときがある。
――あ、そういえばバックで誰かが「うるう年」って言ってるように聞こえたところがあった。
- 手島
- EBIが言ってます。
- ABEDON
- ホントはもっとフィーチャーしてたんだけど、カットした(笑)。
- 奥田
- 「うるうどし!」ってうるさかったから。
- EBI&ABEDON
- うるうどし、うるうどし(笑)。
- 手島
- 連発してたからね。
- 川西
- 曲をまったく忘れてる(笑)。
- 奥田
- うるう年の曲じゃねえし(笑)。
- EBI
- この曲はホントすごいなと思うんですよ。今回、数字がテーマなんですけど、いちばんこの曲で数字を怒鳴ってます。
- 奥田
- しかもメインじゃない奴がやらされてるもんね。
- 川西
- やらかしてる(笑)。
- ABEDON
- そうだよね(笑)。
- EBI
- もうね、聴きながらツッコミたくなるような。
- 川西
- つっこんどったやん(笑)。
- 奥田
- つっこんどるやないか。
- EBI
- ハッハッハッ。
――そして奥田さんは、マラカス!
- 奥田
- ……あざーす。
- EBI
- (笑)
- ABEDON
- これ、恒例なの?(笑)
- 奥田
- いやいや。
- EBI
- 主張してるんです。
――ギターは?
- 手島
- ギターはふたりでやってる。
- 奥田
- 違うよ。
- 手島
- あ、違うわ。俺はソロだけだ。
- 川西
- 一応、ライブでリードボーカルはハンドマイクがコンセプトだからね。
- 手島
- リードボーカルだけど、ギター・ソロは俺が弾くんや!(笑)。
⑥「青十紅」
――「青十紅」(作:ABEDON)は?
- 手島
- これ、俺、いちばんギターの音、気に入ってる。思うような音が出た。
- EBI
- ペンペンペンペン(笑)。
- 奥田
- だから俺はもう、ボヨンボヨンってやった。
――コーラスがすごくいい!
- ABEDON
- だろ?
- EBI
- そこは、「あざーす」でしょ、ハッハッハッハッ。
- ABEDON
- あざーす(笑)。
- 奥田
- あざーす(笑)。
- ABEDON
- あえて何も主張するものがない中で。ハーモニーだけで風景をイメージさせるっていう。うちのバンドはそれができるからね。だからやったほうがいいかなと。UNICORNならではじゃないですか。
⑦「気まぐれトラスティーNo.1」
――「気まぐれトラスティーNo.1」(作:川西幸一)は?
- 手島
- 川西さんが、名古屋で焦りあげて作った。
- 川西
- EBIはもう3曲も書いとるし、僕は1曲もできてないし。
- 手島
- 電大のライブの後に誘ったら、「EBIは3曲書いとる。今日、わしは“山ちゃん”行かんけえ」って。
――(笑)
- EBI
- うそ〜、追い込まれてたね、それは。
- 手島
- “世界の山ちゃん”の手羽先、断られた。
- 川西
- そのうえ旅先だからiPadしかなくて。
- 手島
- 「iPadにインストールしんさい」言うて。
- 川西
- GarageBandをインストールするところから始めて。
- ABEDON
- iPadで作ったの?
- 川西
- そうよ。
- ABEDON
- ほお〜。
- 川西
- ホテルの部屋でボソボソ歌って作った(笑)。
- 奥田
- それでも、すぐそれでできるのがすごい。
- ABEDON
- なあ。
- 手島
- いや、それしかないと、それで作るのよ。
- 川西
- 原始人みたいに言わんでよ(笑)。
- 手島
- 子供がゲーム一個買ってもらって、やり尽くすみたいな。
- 川西
- それ、一緒やないか。原始人と子供と(笑)。
- 手島
- 子供はね、一個しかゲームがなかったら、それがすげえうまくなるよ。
- 川西
- でもギター弾けないじゃないですか。イメージを形にしないといけない。昔みたいに、♪ドゥンドゥドゥンドゥン♪とか言っとるわけにはいかないじゃないですか。みんなに「わからんわー」って言われるから(笑)。
- EBI
- 『イーガジャケジョロ』あたりのことね。
- 手島
- おかげで俺はこの曲がいちばん考えたよ。ギターが入ってないから、どのコード鳴らそうかなーっていう。
- 川西
- これは曲作ってるときから、ドラムはABEDONにやってもらおうと思ってた。
- ABEDON
- あざーす! あ、ここじゃないのか?(笑)。
- 川西
- ABEDONとEBIのリズムの感じがいいんじゃないのかなって(笑)。
- EBI
- この組み合わせがね。
- 川西
- 今度から“スピードもの”のドラムは、ABEDONが全部やることになったんで(笑)。
- ABEDON
- あざーす! ええっ、そうなの?
- 手島
- あと、手拍子、誰がすんねんって話やけどね。
- 川西
- あれはお客さんにしてもらうしかない。
- 奥田
- 最初にABEDONのドラムから入って。
- 川西
- で、ずーっと手拍子の練習をお客さんにしてもらって。
- ABEDON
- 長いじゃ〜ん。
- EBI
- (笑)
- ABEDON
- 「WAO!」のお返し、されちゃうじゃ〜ん。
- 川西
- いつも「WAO!」でやられてるから、逆に(笑)。
――20分ぐらいやってもらって(笑)。
- EBI
- それだったらもう、曲数いらんね、あんまり。
- 川西
- そういうとこで時間稼いで?(笑)
――タイトルの“No.1”は、あとで付けたの?
- 手島
- 数字がなかったから。
- 川西
- これは完全にあとですね(笑)。
――この曲のタンバリンもいい。
- 奥田
- あざーす!!
- EBI
- (笑)
⑧「55」
――「55」(作:奥田民生)では、ABEDONさんの新兵器(楽器)の“ROLI”が大活躍してますね。
- ABEDON
- 民生くんが「普通の音程じゃない、倍音みたいなのを入れて」って言って去っていったんで。
- 奥田
- 後ろにぼんやりと入れて欲しかったので。
――奥田さんがROLIを指定したわけじゃないんでしょ?
- 奥田
- 俺は何も。
- ABEDON
- どうしようかなと思って。ROLIは前回のファンクラブ・ツアーでテストして慣れてきてたんで使ってみた。
――ROLIはとても取扱いが難しい、最新のシンセだと聞いてますが。
- ABEDON
- そうですね。
――ライブで使ってる人を見たことがない。
- ABEDON
- じゃあ、今回のツアーに無理やりでも持って行くか。
- 奥田
- 全部、ROLIでやるのは?
- 手島
- 「HELLO」を(笑)。
- 奥田
- 「ブルース」を(笑)。テレレテッテテレレテッテ。
- 川西
- (笑)
- ABEDON
- 奇跡の「ブルース」を(笑)。
――この“55”って数字は何?
- 奥田
- 何って、野球の曲だからさ。
――背番号55って、広島カープのエルドレッドだ!
- 奥田
- 退団しちゃったけどね。
- 手島
- この曲、俺、いいなーと思った。なんだったらソロ、俺が弾きたかった。
- 奥田
- テッシーがタバコ吸いに行っとるうちに、俺が弾いてもうた。
――(笑)
- 手島
- 民生がガーッて弾いてたから、「俺はもういいわ」って。
⑨「GET WIND 360 °」
――「GET WIND 360 °」(作:EBI)も、絶好調で出来上がった曲?
- EBI
- そうね。
- 手島
- デモの段階で、歌詞まであった。
- ABEDON
- これは川西くんに「ハイハットは使わずに、キックとスネアを使ってビートをやってくれ」と言った覚えがありますね。ハイハットでリズムを刻むっていうんじゃなくて、ハイハットもパーカッションのひとつみたいな、言葉のひとつみたいな使い方で。
――ときたま聴こえるハイハットが、すごくいい。
- ABEDON
- あざーす。
- 川西
- あざーす(笑)。歌心をわかったとこで入ってるでしょ、これ。
――めちゃくちゃメロディーがいいよね。EBIさんは、自分でうっとりしながら歌ってる(笑)
- EBI
- あざーす。
- 川西
- (笑)やっと「あざーす」、言える場面がきた。
- 奥田
- 俺も言いたかった(笑)。
⑩「うなぎ4のやきとり1」
――「うなぎ4のやきとり1」(作:奥田民生)は?
- 奥田
- 最近、いつも同じスタジオでレコーディングしてて、居心地がいいんですよ。そのスタジオのロビーで、たらたらしてる感じの歌なんですけど(笑)。
- 手島
- 「In The Lobby“その2”」みたいな。
- EBI
- そこで飯食ったりね、いろいろ。
- 奥田
- 俺、飯場大臣なんで(笑)。
――そういうことか!
⑪「OH! MY RAD10」
――「OH! MY RAD10」は、「RADIO」のIOを、数字の10にしてます。ちょっと無理があるけど、ナイス・アイデア!
- 奥田
- これは前の曲だからね。
――アルバムの最後にあるべき曲だなって感じ?
- 奥田
- っていうか、まあ、曲順決めたの俺たちじゃないから。
- ABEDON
- ハハハハハッ。ホントはね、民生くんが曲順大王なんだけど。
- EBI
- 今回はやってない。
- 奥田
- あざーす(笑)。
- ABEDON
- 曲順大王が、今回はアシスタント・エンジニアを指名しまして。
- 奥田
- 指名したわけじゃないんだよ。俺は俺で曲順そろそろ考えようかなと思って、テーブルの上をみたら、アシスタントさんが考えた曲順の紙が並べてあって、見たら「あれ? これでいいじゃん!」って(笑)。
- 一同
- (笑)
- 奥田
- 俺の考えてたのに、なんか似てたし。
- EBI
- ホント、僕もそう思ったよ。
- 奥田
- そのアシスタントさんは、スタジオでみんながなんか言ってるのを聞いてんじゃん。
- 川西
- そうかもね。
- 手島
- なにもかも全部知ってるから。
- EBI
- いちばんわかってるかもね。
- 奥田
- バンドの誰よりもわかってる(笑)。そういう曲順になってます。
――そして4月から長いツアーに出る!
- 奥田
- なるべく飽きないようにやります!